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2008.06  デザインの祭典、ミラノサローネ2008

 毎春開催されるデザインの祭典、ミラノサローネ(イタリア名:i Salone)。北部イタリアの中心都市ミラノで開催される、家具の国際見本市(Salone Internazuionale del Mobile)及びデザインイベントの総称で、今年で47回目を数える。今年は4月16日から21日まで開催。期間中は、世界から家具メーカーやバイヤー、デザイナー、建築家、マスコミ関係者などが集まり、ミラノサローネは、ファニチャー/インテリアデザインのトレンド発信地として重要な役割を果たす。
メインとなる国際家具見本市には、毎年2000以上のメーカーや団体が出展。大きくクラシック、モダン、ハイファッションデザイナーズインテリア、フュージョンの分野に分けられた家具メーカーの見本市が華やかに立ち並ぶ。これに付随して、住宅関連用品見本市、キッチン見本市、オフィス家具見本市、浴室家具見本市、若手デザイナーを紹介するサローネサテリテが開催され、空間を彩る製品の総合見本市となっている。総入場者数は20万人超。毎年20パーセント前後の割合で動員数を増やしつづけている驚異的な国際見本市である。
また期間中、ミラノ市内のメーカーショールームやギャラリーなどでは、メーカーやデザイナーの新作展示や様々なグループのプロジェクトの発表会などが昼夜を問わずに展開され、美術館や博物館でも、有名デザイナーの回顧展や実験的なデザインの展覧会が開催される。(これらは国際家具見本市と区別してFuori Saloneと呼ばれている。) 近年は特に、日本企業がFuori Saloneへ参加するケースが増えており、今年の動向としては、4回目の参加となるレクサスが、デザイナーの佐藤オオキ率いるnendoを、初参加の松下電工がデザイナーの深澤直人とパトリシア・ウルキオラを起用し、空間を演出しながら製品のプロモーションを行う予定。また初参加のキヤノンは、自社製品の高精細大判プリンターを最大限に活かした空間を創作するため、ファッションデザイナーの廣川玉枝と建築家の石上純也とコラボレーションを行う。尚、キヤノンは筆者である桐山が総合プロデューサーを務めている。 その他、団体の参加として、日本産業デザイン振興会は、第2回目となる「JAPAN DESIGN 2008 - INNOVATION」をデザイナー喜多俊之監修のもとに開催。ウィルコム、イトーキ、ビクター、リコーなどメーカーの発表の場を作る。また政府支援を受けて生活関連製品(日用品)の輸出振興を促す団体であるSOZO.COMMも、カリモク、添島勲商店、リッツウエルなど中小メーカーの優品を紹介する予定である。 同時代のデザインを一堂に集めたミラノサローネは、全世界的なビジネスの興隆を押し進めながらも、見本市というビジネスの領域を超えて、より包括的にデザインのイベントとして機能する「デザインの祭典」である。また世界中から集まる関係者が、デザイントレンドをチェックし、意見を交換し、情報の発信を行うミラノサローネは、世界の次世代潮流のファーストステップに立ち会える機会であるといえる。デザインがこれほど産業や経済、さらには経営戦略と密着している事を体感して欲しい。 (Kiriyama)

 
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